2014年度文部科学大臣表彰科学技術賞・若手科学者賞を本研究科から6名が受賞

広報誌編集委員会

2014年度科学技術分野の文部科学大臣表彰が発表され,理学系研究科からは,科学技術賞を3名が,また若手科学者賞を3名が受賞しました。この表彰は,科学技術に関する研究開発,理解増進等において顕著な成果を収めた者に与えられるものです。

佐藤薫教授(地球惑星科学専攻)は,業績「南極大型大気レーダーの開発」による科学技術賞(開発部門)の共同受賞です。地球温暖化,オゾンホールなどの地球環境変動の科学的解明と,その鍵となる南極域でのさまざまな大気現象を理解するために,南極昭和基地に大型大気レーダーPANSYを建設しました。

西原寛教授(化学専攻)は,業績「電子及び光機能分子拡張系の配位合成と化学素子に関する研究」による科学技術賞(研究部門)受賞です。「配位プログラミング」という物質創成の新概念に基づき,光スイッチング分子,強い発光性を示す分子,界面合成による導電性金属錯体ナノシートなど,分子素子に適した新しい機能物質系を創出しました。

深田吉孝教授(生物科学専攻)は,業績「体内時計の24時間リズムを形造る時計タンパク質制御の研究」による科学技術賞(研究部門)受賞です。時計タンパク質のリン酸化やユビキチン化といった多彩な翻訳後修飾の組み合わせにより,一群の時計遺伝子の転写・翻訳を介した計時機構が巧妙に制御されていることを明らかにしました。

伊藤(大橋)恭子准教授(生物科学専攻)は,業績「植物の細胞運命決定を制御する分子機構の研究」による若手科学者賞受賞です。植物細胞の発生運命の制御機構について,気孔細胞分化系と維管束細胞分化系の2つの実験系を用いて解析し,その制御を支配する重要な遺伝子発現ネットワークを明らかにしました。

合田圭介教授(化学専攻)は,業績「超高速カメラと産業および医療への応用の研究」による若手科学者賞受賞です。高速イメージングという,幅広い分野の研究に用いられる基礎的技術につき,斬新な撮影原理に基づく世界最高速の方法を発明しました。新手法によって約100 ピコ秒のシャッター速度で一秒間に約1000万枚の画像を連続的に得るという驚異的な速度のカメラを開発しました。

西増弘志助教(生物科学専攻)は,業績「酵素の多様性を生み出す分子基盤の研究」による若手科学者賞受賞です。X線結晶構造解析,および,立体構造に基づく機能解析を駆使し,酵素の新規な機能を解明しました。超好熱性古細菌のもつFBPA/Pタンパク質が,かたちを変えながら2つの異なる化学反応を触媒することを発見し,「1つの酵素は1つの反応を触媒する」という生化学の常識を覆す発見として世界的に高く評価されました。

図1
佐藤薫教授
図2
西原寛教授
図3
深田吉孝教授
図4
伊藤(大橋)恭子准教授
図5
合田圭介教授
図6
西増弘志助教