理学部・理学系研究科女子学生の声

男女共同参画委員長 佐藤 薫(地球惑星科学専攻 教授)

図1

円グラフで表示したアンケート結果

理学系研究科男女共同参画委員会では,男女共同参画のいっそうの推進と改善に資すためアンケートによる意識調査を行っている。2013年1月には,女子学部生/大学院生と,全教員を対象に実施した。女子学生から約80件,教員から約90件の回答があり,それぞれ約40件の自由意見が得られるなど,関心の高さがうかがわれた。現在学生の女性比率は学部で約10.6%,大学院で約16.2%である。ちなみにこの数字は,30%を超える国際平均にくらべてきわめて小さい。

紙面の都合上,女子学生向けアンケート結果に絞って概要を述べる。生物系学科・専攻に限ると女子学生の比率は25%を超えている。生物系以外では,「女子の割合がたいへん少ないと感じる」との回答数は26%,「少ない」と合わせると75%である。また,「数が少ないために学習・研究上の不都合を感じている」は25%,「やりづらさを感じる」は42%であった。女子学生の悲鳴が伝わってくる。これに対し生物系では,「割合がたいへん少ない」はゼロ,「少ない」が33%,「学習・研究上の不都合を感じている」が14%,「やりづらさを感じる」が22%となっていた。この結果は女子学生を取り巻く環境が数の増加により自然に改善されうることを示している。

現在本学では,女子学生の数を増やす取組みとして,女子寮の整備が検討されている。これを有効と答えた学生は72%であった。女子寮は地方出身者の生活の安全を確保するだけでなく,長距離通学を強いられがちな自宅生の学習時間の確保にもつながる。また,将来像を描くためのロールモデルの提示も重要との声も多数あった。

女子学生の孤立感は,学部より比率の高い大学院のほうが勝ることもわかった。大学院では小さな研究室単位の活動が主となり,女子の絶対数が少なくなるためである。昨年(2012年)は女子学部生の懇談会を2度開催したが,これらの意見を受けて,今年は女子大学院生の懇談会も開催予定である。分野を超えたつながりをもつよい機会になってくれればと願っている。また,昨年第2回の懇談会には男子学生も参加し,大いに盛り上がった。男女共同参画は,女性だけで議論する問題ではないのである。

ちなみに,私は女性教員の一人であるが,研究室に女子学生が少なくて寂しいのは同様である。理学は客観評価が可能で仕事上での平等は担保されている。国際的に見れば,少なくとも私の専門分野(大気力学)ではリーダー的存在の女性は5割にも届く勢いである。彼女達は家庭も仕事も実にエンジョイしている。国際化が進む中,日本もそれが当たり前になる時代も近いのかもしれない。今後も理学系研究科の女子学生達を見守りたい。