化学専攻大越慎一教授が,日本IBM科学賞を受賞

山内 薫(化学専攻 教授)

図1

大越慎一教授

大越慎一教授が,「磁気化学を基盤とした新規な磁性体の創出」のご業績で,2009年11月27日に第23回日本IBM科学賞を受賞されました。大越教授は,2008年3月3日に,「磁気化学を基盤とした新規磁気物性の創出に関する研究」のご業績で,日本学術振興会賞・日本学士院学術奨励賞を受賞されましたので,これは,顕著な研究業績を上げた若手研究者(45歳以下)に授与される日本を代表する2つの賞を連続して受賞されるという快挙です。

大越教授は,分子設計の概念を独創的に広げ,次々と全く新しい磁気的機能を持つ磁性化合物を合成し,その物性発現の機構を物性科学の立場から解明してこられました。例えば,熱により磁極が二回反転する磁性材料や,光により強磁性状態と非磁性状態が可逆的に変化する光磁性材料は,大越教授によって初めて合成されたものです。また大越教授は,高い保磁力を示すともにミリ波域の高周波を吸収する,酸化鉄ナノ磁性体の合成にも成功されました。これは,次世代の高密度磁気記録や無線通信に利用できるものとして,産業界からも注目されています。

これらの成果は,大越教授が世界初を目指し常に努力を重ねてこられたことが実を結んだものであり,国際的にも高く評価されています。ここに御受賞をお祝いし,大越教授のますますのご活躍を祈念いたします。