研究者ファイル

研究者ファイル

今井浩(情報理工学専攻 教授)、村尾美緒(物理学専攻 助教授)

量子力学の専門家と情報工学の専門家が、ディスカッションを繰り返しながら日々進歩を遂げている学問がある。90年代後半に登場した比較的新しい学問で、世界中で若い研究者を中心に、熱心な議論がなされている「量子情報」がそれだ。量子力学と情報科学を融合した量子情報は、コンピュータサイエンスに新たな可能性を示すだけでなく、物理学の発展にとっても重要な役割を果たす学問として注目を集めている。

横山茂之(生物化学専攻 教授)

これまでの生物学は「生き物」という大きな器に入っている素材一つひとつを解き明かしていく、大から小へ向かう学問だった。しかしゲノム解析によって、「生命」そのものを分子レベルから知ろうとする、小から大の学問が成立する。その代表格ともいえるのが、横山茂之教授が取り組んでいる「タンパク質の立体構造と機能」の解明だ。

深田吉孝(生物化学専攻 教授)

夜になると眠くなったり、食事どきにはお腹が空くのはなぜだろうか。腹時計などと俗に言われるが、実際に、ヒトを含めた動物はおろか植物や単細胞生物にさえも、「サーカディアンクロック」と呼ばれる約1日周期を測る生物時計が備わっている。この時計によって生み出されるサーカディアンリズムという生命現象を光をキーワードに分子レベルで解明しようという研究が進んでいる。

中村栄一(化学専攻 教授)

炭素原子が連なる分子「フラーレン」が注目されている。化学反応によって新しい性質を付加することで、半導体や複合材料、触媒、医薬品への応用が期待されている。このフラーレンに着目、研究をリードし様々な分野への応用を実現したのが中村栄一教授だ。

塩谷光彦(化学専攻 教授)

スムーズに回転するボールベアリングや銅線を束ねた電線。いずれも金属を加工した工業製品が想像できるが、金属イオンと有機分子を素材として、こうした機能を持つ分子を合成する研究が行われている。塩谷研究室では、教科書にも載っていない、世界で初めての分子をつくることをテーマに新しい超分子のデザインに取り組んでいる。

駒宮幸男(物理学専攻 教授)

インターネットは、もともとはスイス・CERNの研究者同士がコミュニケーションを図るために開発したもの。原子核や素粒子の実験は、大規模なものが多く、実験を主導する研究者には、一大事業をまとめ上げるコミュニケーション能力が求められる。これまで、世界各国の研究者が集う数々のプロジェクトを統括し、素粒子物理の先端を行くのが駒宮幸男教授。自らを指導してくれた小柴先生のように、今の夢は若手研究者のため、日本に基礎科学の国際機関を設置することである。それを実現するために邁進している。

永原裕子(地球惑星科学専攻 教授)

星が死滅する過程で、数々の元素がつくられる。それらが次世代の星へと引き継がれ、太陽や地球や生命が生まれた。永原裕子教授は太陽系誕生の様子を実験室の中で再現することで、その謎に迫る。その実験において重要な役割を果たすのが「隕石」なのだ。