理学部・理学系研究科へ進むための進学ルートマップ

理学部・理学系研究科へ進むための進学ルートマップ

東京大学では、入学して最初の2年間を前期課程、その後の2年間を後期課程と呼ぶ。学生は、後期課程から理学部、工学部、経済学部といった専門課程で学ぶことになる(図の進学ルートマップ参照)。 

前期課程2年次の夏学期に「進学振分け」が実施され、前期課程の学生を各学部・学科などに振分ける手続きが行われる。 志望する学部や学科に進学できるかどうかは、志望者の数、学生の前期課程の成績で決まる。

10の学科が理学の専門的な教育活動を実践

理学部への進学を目指す場合、理科一類、理科二類、理科三類から理学部に進学するには、必修科目と選択科目で単位を揃えればよい。 一方、文科各類から理学部へ進学を希望する場合は、進学希望の学科ごとに履修すべき科目が「要求科目」として指定されている。 そのため、通常の必修科目に加えて、理系の科目が必要となる。 ほかにも、進学のための必要条件ではないが、将来の基礎となり得る前期課程の科目の履修を奨励する「要望科目」もある。

理学部は現在、10の学科に分かれている。 数学科、情報科学科、物理学科、天文学科、地球惑星物理学科、地球惑星環境学科、化学科、生物化学科、生物学科、生物情報科学科で構成。 学科の専門的な教育・研究活動は、各学科の先に続く大学院である、理学系研究科、数理科学研究科、情報理工学系研究科、新領域創成科学研究科の各専攻が担う。 理学部生(3、4年次)600人以上、教員300人以上を擁しており、多くの学科が集まる本郷キャンパスを中心に、浅野、駒場の各キャンパスに分かれて教育研究に取り組んでいる。

自然の仕組みを解明する理学の魅力あふれる世界

「理学」とは、自然科学の基礎研究を目的とした学問だ。 宇宙、惑星、地球、海、生物といった、我々を取り巻く大自然に潜む秘密を解き明かし、人類の知識と社会の進歩に貢献することを目指している。 東京大学には、理学部のほかにも、工学部、農学部、薬学部、医学部といった自然科学系の学部があるが、そうした理系学部の中でも、最も基礎研究の比重が高い学部が理学部といえるだろう。

では、理学を学ぶ魅力とは何だろうか。 本誌が行った理学部教員へのアンケートによると、「誰も知らなかったことを明らかにする」「自然現象の深い理解をもたらしてくれる」「不思議に思うことの仕組みを明らかにできること」といった回答が多数得られた。 「何かを知りたい」という知的な好奇心が、世界で最先端の研究を手掛ける教員たちの原動力となっていることがうかがえる。

また、そのような基礎研究は「大学だからこそ取り組める分野、取り組むべき分野」であり「基礎研究なくしては応用研究もあり得ない」といった声も多かった。

自然を対象とした総合的な教育プログラムも理学部の魅力である。

各学科では分野の特性に応じてカリキュラムの中に、講義、実験、野外調査(観測)および演習をバランスよく取り入れており、最終学年次には、指導教員の下で行う卒業研究、特別研究や卒業実験などが組み入れられている。

教育研究を進める上での、実験設備なども充実している。 国内初の臨海実験所である、三崎臨海実験所(神奈川県三浦市)、小石川植物園(東京都文京区)、日光植物園(栃木県日光市)、天文学教育研究センター(東京都三鷹市)など、理学部の各学科の教育研究に必須となる施設が設置されている。 アンケートでも「実験に必要な装置が多数揃っている」「工夫次第で十分に研究を進められる環境」といった声が聞かれた。

理学部で学ぶことや、理学部の多くの学生が進学する大学院理学系研究科で取り組む研究は、目先の応用を第一目的とするものではない。 しかし、多様な研究者のそれぞれの興味を出発点とする科学の基礎研究こそが、学問の進展に大きく貢献し、人類の将来に起こる事態に対処する知恵を生み出す基盤となる。 そのためにも、科学を発展させ、自然の仕組みをより深く知る理学は欠かせない学問分野だといえるだろう。