理学部ニュース・広報・弘報の連載

理学部ニュース・広報・弘報の連載

横山 央明(広報誌編集委員会委員長)

現在,理学部ニュースでは不定期なものも含めると5つの連載が走っている。

毎年秋ごろになると次の年度の新連載をどういうものにするか編集会議で議論する。そのときどきの理学部をとりまく情勢を考えたり,ひろい読者とくに学部生や駒場生にアピールしたい思いで編集委員みなで一所懸命にあたまをひねる。今回はいささか手前味噌をご容赦いただき,理学部ニュースの温故知新をやってみたい。ウェブ上で公開しているバックナンバーを使って,過去の連載について調べてみた。2014年5月号までで約30あった。

発刊直後の1年は,事務的な連絡がほとんどで「読み物」と呼べそうなものはほとんどない。これは当初の発刊意図が,学園紛争時の構成員間でのコミュニケーションを図ろうというものだったからであろう。「連載」とよんでよいのかどうかわからないが,「組合との交渉」経緯報告は発刊号から2001年3月まで約30年間続いた。

読み物としての最初の連載は,「理学部ところどころ」で, 1970年3月号から8回続いた。初回は「ペルリの天秤(物理教室)」。黒船のペリー提督が江戸幕府に寄贈したものが理学部で発見されたというはなしだ。他には,化学館・ダイバース像・ビルケランド教授などが題材で,いま読んでもおもしろい。

読み物として最長記録をほこるのは「理学のキーワード」だ。2006年5月号から7年間41回にわたって続いた。ここから単行本もうまれた※。毎回各分野のキーワードを専門家に噛み砕いて説明してもらうもので,当時から編集にたずさわっていた私もずいぶん他分野のことを勉強させてもらった。正直なところ数学のキーワードだけは何度読んでも難解だったが…。

印象に残ったのは「私の提案」で1973年6月号から6回の連載である。「理学部研究委員会」や「海外学術調査」についての真面目なものから,いささかひねりの効いたものまで実に幅広く,執筆しておられる方々が楽しんでいるのが伝わる。また2004年7月号から11回連載したトム=ガリー (Tom Gally) さん(現在は教養学部准教授)の「科学英語を考える」は,編集委員会ではいまでも「伝説」となっている。そのおもしろさ,切り口,また実用性のどれをとってもすばらしい名連載である。ぜひバックナンバーで読んでみていただきたい。

※東大式現代科学用語ナビ(㈱化学同人2009年発行 ISBN978-4-7598-1278-7)