「研究者として うまくやっていくには」

長谷川 修司(物理学専攻 教授)


長谷川修司著
「研究者としてうまくやっていくには」
講談社ブルーバックス(2015年)
ISBN 978-4-06-257951-3

学部3年生ぐらいまでは勉強一筋なので,研究とはどんなものか正しくイメージできる学生が少ないのは当然かもしれない。難しい専門書や原書をたくさん読んで,難問の練習問題を解いて,専門知識をたくさん吸収することが大学院でやることだろうと考えている学生がいたとしても不思議ではない。

学部4年生の卒業研究あたりから研究に触れ,大学院で本格的な研究活動をすることになるが,研究と勉強の違いに戸惑いを感じる学生も少なくないようだ。

答えのわからない問題,答えがあるのかどうかさえわからない問題に挑むのが研究。なので,答えがあると最初から分かっている問題ばかりを解いてきた学生にとって,研究は不安との戦いになる。「この研究をやっていて本当に成果が出るのだろうか。そもそもこの研究に意味があるのだろうか。」壁にぶち当たると不安のどん底につき落とされることが多い。

拙著『研究者としてうまくやっていくには』では,学部学生,大学院生,博士研究員,助教,准教授,教授と,それぞれのライフステージで研究者としてもつべき心構えや処世訓を自分の経験をもとに書き綴った。研究者としてうまくやっていくためには,出版社が勝手につけた大仰な副題だが,「組織の力を研究に活かす」がひとつの答えだと思う。指導教員,先輩,後輩,共同研究者,競争相手などとの議論やコミュニケーションが,研究には本質的に重要なのである。

理学部ニュース2017年11月号掲載



理学の本棚>

 

 

  • このエントリーをはてなブックマークに追加