地球化学

高橋 嘉夫(地球惑星科学専攻 教授)


佐野有司・高橋嘉夫著
「地球化学」
共立出版(2013年出版)
ISBN 978-4-320-04720-4

地球化学は,地球や太陽系で起きるあらゆる現象を化学的にとらえ,太陽系・地球・生命の進化,地球システムの成り立ち,物質循環,環境・資源・自然災害などを理解しようとする分野である。基礎科学としては20世紀になってから発展した若い学問であるが,その研究領域は基礎から応用まで幅広く,「夢とロマン」と「社会貢献」のいずれの側面も持った,多彩な魅力に溢れた分野である。特に地球惑星や環境というマクロな対象を原子・分子レベルの化学的素過程まで掘り下げて追及する点と,これらの研究に必要な化学的手法を開発する点に,地球化学の特徴がある。

10章からなる本書は, 1~7章で太陽系や地球の誕生・進化から現在の環境までを時系列的に扱い, 8章では原子分子レベルの視点での地球化学について, 9章と10章では,地球化学を学ぶ上で必要な機器分析や基礎的な熱力学について述べている。理学部における関連講義として,地球環境化学,地球惑星環境学(以上,地球惑星環境学科)や地球化学(化学科)などがある。本教科書や上記講義を通じて地球化学に興味を持った方は,理学系研究科地球惑星科学専攻,理学系研究科化学専攻,地震研究所,大気海洋研究所などにある様々な地球化学関連の研究室で行われている研究を調べてみるとよいだろう。きっとその幅の広さと将来性に気づくはずだ。

ぜひ本書を読んで,「地球化学の魅力」=「化学的に物を見る力をつけることで,地球惑星の過去から未来まで,固体地球から大気海洋までの様々な現象について,科学的興味や社会貢献などの様々な動機に基づいて取り組めること」に触れてみて欲しい。

 

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