宇宙生物学入門

須藤 靖(物理学専攻 教授)


P. ウルムシュナイダー著
(須藤 靖ほか訳)
宇宙生物学入門 惑星・生命・文明の起源
丸善出版(2008年)
ISBN978-4-621-06178-7

初めて太陽系外惑星が発見されたのは1995年。それまで宇宙論を研究していた私は,21世紀になって太陽系外惑星の研究を始めようと思い立った。最大の理由はそれこそが天文学から宇宙生物学へ至る正道であると確信したからである。といっても特に生物学に関しては学部学生以下の知識しかない(実は私は高校では生物を選択していない。また今と違って駒場で理科一類の学生も生物が必修という時代ではなかった)。

そこで,2003年度及び2006年度の冬学期の物理学科4年生の理論演習のテキストとしてこの本を選び,学生と一緒に(というか教えてもらいながら)基礎的知識を学んでみようと考えた。その結果,全員で協力して翻訳出版することができた(したがって私の監訳などではない)。

なんとか最初の訳を終えた頃,原著者から第2版をだすのでそれを訳して欲しいと伝えられた上,私が詳しくない地球と生物の部分だけが格段に増強された原著を見た時にはめまいがした。

その後10年,宇宙生物学は未だ本格的に開始したとは言い難い。そしてそれは,現在理学部の学生や,これから進学しようとしている皆さんには朗報である。あらゆる分野で,研究対象が狭くなり専門化する一方の現在において,宇宙生物学は物理,化学,生物,地球惑星,天文など,この理学部がカバーしている多様な研究分野の知識・方法論・成果を集結して初めて可能となる学際的な学問分野である。宇宙生物学がこの理学部から本格的に始動することを願ってやまない。

 

理学の本棚>

 

 

 

  • このエントリーをはてなブックマークに追加