新・生命科学シリーズ「動物行動の分子生物学」

久保 健雄(生物科学専攻 教授)

久保健雄・奥山輝大・
上川内あづさ・竹内秀明共著
新・生命科学シリーズ
「動物行動の分子生物学」
裳華房(2014年出版)
ISBN 978-4-7853-5858-7

臨海実験所長の赤坂甲治先生から2011年に「動物行動の分子生物学」に関する本を書いて貰えないか,との打診をいただいた。お引き受けして直ぐ,浅学な私一人では執筆は不可能と気付き,赤坂先生にお願いして,研究室卒業生である竹内秀明君(岡山大准教授),上川内あづささん(名古屋大教授),奥山輝大君(MIT利根川進教授のラボの研究員)と共著で書かせていただくことにした。

私はミツバチの社会性行動の分子・神経基盤を研究テーマの一つとしているが,竹内君と上川内さんはその最初期の大学院生であった。上川内さんは卒業後,分子細胞生物学研究所の伊藤啓先生らと2009年にNatureにショウジョウバエの聴覚に関する論文を書いた。奥山君は,竹内君が当研究室で始めた,メダカの社会性行動の分子遺伝学に携わった最初の大学院生で, 2014年にScienceに「メダカの雌は見知った雄と積極的に交接する」という論文を書いた。奥山君には近年勃興したオプトジェネティクスに関する章を執筆してもらった。線虫・ショウジョウバエ・メダカ・マウスは遺伝学が利用できる「モデル生物」だが,ミツバチは未だ遺伝学が利用できない「非モデル生物」である。そのため本書のタイトルは「分子生物学」となり,「分子遺伝学」にはならなかった。次にこうした本を上梓する機会があれば,そのタイトルは「ミツバチの社会性行動の分子遺伝学」でなくてはならないと思っている。


 

理学の本棚>

 

  • このエントリーをはてなブックマークに追加