宇宙の果てはどうなっているのか?

大内 正己(宇宙線研究所 准教授/物理学専攻・天文学専攻)

大内正己著
宇宙の果てはどうなっているのか?
~ 謎の古代天体『ヒミコ』に挑む」
宝島社
ISBN 13:978-4800226396

最新の宇宙像を解説する本はたくさんある。でも宇宙を知るための最先端研究がどのように行われているかについて書かれた本はあまりない。「日本の若者に宇宙研究の現場を知ってもらおう。」本書の執筆依頼を受けた時に真っ先に思ったことである。

私たちが研究に使うすばる望遠鏡は, ドームを含めた構造全体の高さが43mで, およそ10階建ての建物の大きさに匹敵する。その中に鎮座する口径8mの主鏡とそれを支えるロボットアームは巨大な精密装置であり, 理想的な鏡面からのズレが12nm, 髪の毛1 本の1/5000しかない。人類の英知を結集して作られた望遠鏡。これで遥か彼方の宇宙で発せられた光がとらえられる。

今日, すばる望遠鏡をはじめ様々な高性能望遠鏡で宇宙観測が行われている。これにより遠くの宇宙が見えるだけでなく, その位置での昔の姿が見えてくる。光の速度が有限だからだ。そして, ビッグバンから4億年後の時代, つまり現在の宇宙年齢(138億年) の3%の時代にある天体までもが観測されている。さらには, 宇宙がビッグバンで誕生してから間もない時,3000度の熱いプラズマで満たされた宇宙もマイクロ波の背景放射として見えている。

このような現状において, どういった研究が現場で展開されているのか, 何が既知で何が未知なのか。私を含めた研究者たちの誤解や失敗, そして発見の面白さを盛り込みながら最先端研究の現場を解説した一冊である。
 

 

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