化学専攻の生井飛鳥助教が第32回井上研究奨励賞を受賞

大越 慎一(化学専攻 教授)


生井 飛鳥 助教

本研究科化学専攻の生井飛鳥助教が,第32回井上研究奨励賞を受賞されました。本受賞は生井氏の高保磁力および高周波ミリ波吸収を示す金属置換型イプシロン酸化鉄に関する博士研究論文に対するものです。

生井氏は,酸化鉄の一種であるイプシロン型-酸化鉄 (ε-Fe2O3)が大きな磁気異方性を持つことに着目し,種々の金属置換型ε-Fe2O3の開発に取り組みました。中でも,更なる高保磁力化を目指してロジウム置換型ε-Fe2O3の開発を行い,フェライト磁石最大となる保磁力を実現しました。また,磁性体最高共鳴周波数となるミリ波吸収および磁気回転効果が現れるのを突き止めました。大きな保磁力を有するイプシロン型-酸化鉄ナノ粒子は,磁気秩序を保ったまま粒径を小さくすることが可能であるため,次世代の高密度磁気記録材料として産業界からもたいへん期待されています。また,位相整合による電磁波吸収量の制御により,ミリ波を高効率に吸収できる材料の開発を理論計算および実験の両面から進めており,車載レーダー用や無線基地局間通信用のデバイス部材としての応用展開が期待されており,学術界のみならず,国内・国外の企業からもたいへん注目されています。生井氏は, 2009年度に東京大学総長賞も授与されており,世界的に活躍する若手研究者として今後の研究の発展が期待されます。

 


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