永原裕子教授が紫綬褒章を受章

田近 英一(地球惑星科学専攻 教授)

永原裕子 教授

地球惑星科学専攻の永原裕子教授が,2016年春の紫綬褒章を受章されました。心よりお慶び申し上げます。

永原教授は,初期太陽系における惑星材料物質の進化について,岩石学と鉱物学をベースに,物理過程と化学過程を統合したアプローチで新しい分野を切り開かれました。とりわけ,地球の材料物質と考えられている始源的隕石に含まれるコンドリュールと呼ばれる粒子は瞬間的な加熱によって前駆岩石片が再溶融して形成されたものであること,そしてコンドリュールを取り囲むマトリクス物質は原始太陽系円盤の始原的物質であることなどを,世界で初めて明らかにしました。また,原始太陽系円盤に近い条件を実験室で再現し,世界に先駆けて鉱物の蒸発・凝縮実験を行うことで,太陽系形成初期に生じたさまざまな物理化学過程を明らかにされました。そして,蒸発・凝縮の際,元素分別はするが同位体分別が生じない特異な元素・同位体分別条件を初めて理論的に見出しました。さらに,晩期星周における惑星材料物質形成において,鉱物の結晶方向による蒸発・凝縮の異方性の存在を初めて明らかにするとともに,鉱物の結晶の形が星周の赤外吸収スペクトルの違いとして反映されることを示し,「宇宙鉱物学」という新分野の創成に大きく貢献されました。

今後も地球惑星科学分野の進むべき道を先導していただけますことを期待しております。

 

トピックス>

 

 

  • このエントリーをはてなブックマークに追加