高野雄紀さん,JST 理事長賞を受賞

 

三浦 裕亮(地球惑星科学専攻 准教授)

地球惑星物理学科の高野雄紀さんが文科省主催「第4回サイエンス・インカレ」にてJST理事長賞を受賞しました。サイエンス・インカレは自然科学分野の学部生等に研究発表の場を提供し,意欲を高めるとともに,課題の設定能力や探求能力,プレゼンテーション能力を備えた創造性豊かな人材の育成を目的として2012(平成24)年から行われています。高野さんは「東京都区部の湧水量に水道漏水が与える影響」というタイトルで,新宿区立おとめ山公園の湧水量の減少が水道漏水量の減少によるとの研究結果を発表しました。

新宿区おとめ山公園の湧水は親水空間としての役割を果たしていますが,その湧水量の減少から保全対策が必要とされてきました。しかし,湧水量の経年変化についての十分なデータが得られておらず,また,湧水量減少の原因は未解明でした。高野さんは水道漏水に着目し,湧水・水道水・降水の安定同位体比を分析し,降水と水道漏水が地中で混合することで湧水となることを示しました。一方,おとめ山公園の湧水量を継続調査し,降水に対する湧水量の応答をモデル化しました。作成した湧水量モデルを使い,1998年以降は年平均湧水量が減少傾向にあり,その原因が水道漏水量の減少であることを明らかにしました。

本研究は高野さんが中学・高校の部活動として行っていた湧水量調査を発展させたもので,この受賞は彼の継続的な努力が報われたものと言えます。この受賞を契機とした更なる成長を期待します。

サイエンスインカレ

高野雄紀さん

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