学部生時代の経験

学部生時代の経験

五所 恵実子(国際本部国際センター全学交換留学プログラム (USTEP) オフィス 講師)

図1

第43回日米学生会議 (Japan and America Student Conference: JASC)に参加した時の様子。筆者は最前列の真ん中。

図2

参加者全員で集合写真

理学系研究科・理学部で留学生担当としておもに大学院で留学生を受け入れ,また,学部3,4年生が海外の大学を10日間訪問する海外渡航制度と学生選抜国際派遣プログラムを運営してきた。振り返ってみると自身の大学時代の交換留学と学生会議の経験,そして人との出会いがこの仕事を続ける上で土台をつくってくれたように思う。

学部3年次に1年間,カリフォルニア州立大学アーバイン校 (UC Irvine) に留学した時はキャンパス内の寮で二人部屋だった。最初のルームメイトはアメリカ人でI型糖尿病のため毎日自分でインスリン注射を打たなければならない。彼女のお母さんにもし彼女の様子がおかしい(痙攣の症状が出た)時は糖分補給のために冷蔵庫にあるオレンジジュースを飲ませてあげて欲しいと頼まれ,いざという時の行動を頭で反芻すると同時に健康の有難さを痛感した。2番目のルームメイトもアメリカ人で,コミュニティーカレッジで学び3年次でカリフォルニア州立大学アーバイン校に編入。専攻は生物学で,週末は生活費のためにアルバイトをしていたが,時々誘われて車で一緒に日本食を食べに出かけた。経済的,精神的に自立し,深い思いやりのある素晴らしい人だった。

留学直前の夏に日本で第43回日米学生会議(Japan and America Student Conference: JASC)に参加。約1ヶ月間,日米80名の学生と寝食を共にして過ごし,世界がかかえる問題について英語で議論した。翌年の44回はアメリカ開催であったためアメリカ側実行委員となり,日米20名の実行委員と共に,参加者の選考からオリエンテーションを含む4つの滞在地での宿泊手配,ワークショップ,シンポジウムの内容まで会議実施の全体に関わり,他のメンバー達の意見や行動からも多くを学んだ。

交換留学と学生会議で文化も興味ある学問分野も異なる多くの同年代の友人達と出会ったことから,学際分野の重要性,そして個人が互いを知り,互いから直接学びあうことの大切さを感じた。これこそ,学部3,4年生時代にもっとも必要なことであり,また,専門性を深める前の最後のチャンスではないかと思う。英語は手段であって目的ではないが,英語でコミュニケーションが取れることで世界が広がるのは間違いない。

最初に留学生担当として勤務した法学政治学研究科での3年半を含めて東大勤続20年を迎えた今春,本部国際センターUSTEPオフィスに異動した。文系・理系,院生・学部生,海外からの留学生と日本人学生に日々接し,支援し,その頑張りに励まされ,自分の仕事の意味を彼らの成長の中に見ることができたように思う。理学部では留学生を含む学部生同士の交流の場をもっと設けたかったが,日々の業務に追われ実現できなかったことが心残りであった。今後は国際本部所属で,半年から1年間にわたり東大で学ぶ全学学部交換留学生の受け入れを担当する。どのような学生達との出会いがあるのか楽しみであると同時に,学内で日本人,在日,留学生の学部生同士の交流機会を増やせるようにしていきたい。