2018/06/06

1細胞RNA分画解読法の開発に成功-細胞生物学の研究を加速-

 

理化学研究所

東京大学

京都大学

科学技術振興機構

内閣府政策統括官(科学技術・イノベーション担当)

 

概要

理化学研究所(理研)開拓研究本部新宅マイクロ流体工学理研白眉研究チームの新宅博文理研白眉研究チームリーダー、マハメッド・ナディ・アブデルモエズ研修生、東京大学大学院理学系研究科の小口祐伴特任助教、上村想太郎教授、京都大学大学院医学研究科飯田慶特定助教らの共同研究グループは、一つの細胞から核RNAと細胞質RNAを分画して、それぞれの遺伝子発現を解析できるマイクロ流体技術を基盤とする「1細胞RNA分画解読法(SINC-seq法)」を開発しました。

本研究成果は、遺伝子発現制御の理解を通じて細胞生物学の研究を加速し、将来的には、遺伝子治療や創薬、微生物産業などへの応用展開が期待できます。

近年、細胞の多様性を理解するために「1細胞RNA-seq法」が用いられています。 RNAは核内で発現した後、細胞質に移動してタンパク質に翻訳されるまでにさまざまな修飾を受けますが、これまで、1細胞から核RNAと細胞質RNAに分離して、網羅的に遺伝子発現を解析する技術はありませんでした。

共同研究グループは、マイクロ流路における電場と流れを制御して、1細胞から核RNAと細胞質RNAを分離して並列に解読解析するSINC-seq法を開発しました。そして、本手法を用いて一つの細胞内のRNAの局在や遺伝子発現の相関を解析できることを実証しました。さらに、これらが、細胞周期やRNAスプライシングなどの生命機能と密接に関わっていることを示しました。

本研究成果は、英国の科学雑誌『Genome Biology』のオンライン版(6月6日付け:日本時間6月6日)に掲載されます。

 

図:SINC-seq法の概要

 

※共同研究グループ
理化学研究所 新宅マイクロ流体工学理研白眉研究チーム
 理研白眉研究チームリーダー 新宅 博文 / 研修生 Mahmoud Nady Abdelmoez (京都大学大学院工学研究科博士後期課程)
東京大学大学院理学系研究科 生物科学専攻
 特任助教 小口 祐伴 / 教授 上村 想太郎
京都大学大学院医学研究科
 特定助教 飯田 慶
筑波大学医学医療系血液内科
 准教授 錦井 秀和
スタンフォード大学
 教授 ワン・ジー・サンティアゴ
京都大学大学院工学研究科
 准教授 横川 隆司 / 教授 小寺 秀俊

 

詳細については、理化学研究所のホームページをご覧ください。
 

―東京大学大学院理学系研究科・理学部 広報室―