2018/05/25

雷雲に隠れた天然の加速器を雷が破壊する瞬間を捉えた

―放射線・大気電場・電波による高エネルギー大気現象の観測―

 

京都大学

東京大学大学院理学系研究科

東京学芸大学

神戸市立工業高等専門学校

近畿大学

名古屋大学

金沢大学

理化学研究所

 

概要

和田有希 東京大学大学院理学系研究科博士課程学生 (理化学研究所仁科加速器科学研究センター研修生)、Gregory Bowers 米国ロスアラモス国立研究所研究員、榎戸輝揚 京都大学白眉センター特定准教授、鴨川仁 東京学芸大学教育学部准教授、中村佳敬 神戸市立工業高等専門学校電気工学科准教授、森本健志 近畿大学理工学部准教授、David Smith カリフォルニア大学サンタクルーズ校教授、中澤知洋 名古屋大学素粒子宇宙起源研究機構准教授、松木篤 金沢大学環日本海域環境研究センター准教授、久保守 同理工研究域フロンティア工学系助教らの国際共同研究グループは、雷雲中に発達した電場加速機構が雷放電によって破壊される様子を観測することに成功しました。

本研究では石川県珠洲市に放射線検出器と大気電場計を設置し、雷雲の通過と同期した1分ほど継続するガンマ線のバースト放射が、雷とともに途絶する様子を観測しました。この雷放電は富山湾に設置された長波帯 (LF) 電波受信機により観測され、バースト放射が途絶した瞬間に、放電路が放射線検出器の上空を通過したことが確認されました。これにより雷雲中に存在していた電子の加速機構が、雲中の放電によって直接的に破壊されたことが示されました。

論文は日本時間2018年5月17日、米国の学術誌「Geophysical Research Letters」にオンライン掲載されました。

 

図:雷雲からのガンマ線ビーム(左)とその放射源を破壊した雷放電(右)。能登半島の上空を雷雲が通過した際に、地上の放射線検出器が雷雲内の電子加速によって生成されたガンマ線放射を検知した。電子の加速機構は雷放電によって破壊され、ガンマ線放射とともに消滅した。

 

詳細については、京都大学のホームページをご覧ください。
 

―東京大学大学院理学系研究科・理学部 広報室―