2017/09/14

宇宙のプラズマから電波が生まれる瞬間の特定に成功

 

名古屋大学宇宙地球環境研究所

東北大学大学院理学研究科

東京大学大学院理学系研究科

京都大学生存圏研究所

 

概要

この度、名古屋大学宇宙地球環境研究所(所長:草野完也)の小路真史特任助教、三好由純准教授、東北大学大学院理学研究科の加藤雄人准教授、東京大学大学院理学系研究科の桂華邦裕助教、笠原 慧准教授、京都大学生存圏研究所の中村紗都子研究員、大村善治教授らの研究グループは、日米の国際共同研究により、NASAの科学衛星「THEMIS衛星」の観測データから、周波数1Hz程度の電波が宇宙のプラズマの中から発生する瞬間の観測に成功しました。研究グループは、独自のアイデアにもとづいて新しい解析手法を開発し、数秒程度で発生・消滅する宇宙空間のイオン群の穴の検出に世界で初めて成功しました。この発見により、宇宙に存在するイオン群の中に穴ができることによって、宇宙のプラズマの中で自発的に電波が生みだされていることが実証されました。

本研究グループが開発した手法は、平成28年12月にJAXAによって打ち上げられたジオスペース探査衛星「あらせ」に応用され、宇宙に存在する電子によって作り出される電波の発生過程を明らかにします。また、宇宙に存在する様々な種類の電波が生まれる仕組みを解明するのに活用されていくことが期待されています。

この研究成果は、平成29年9月14日付(米国東部標準時間(夏時間)10時)米国地球物理学連合の発行する論文速報誌「ジオフィジカル リサーチ レターズ」電子版に掲載されました。

 

図:地球周囲の宇宙空間であるジオスペースにおける自然電波発生の様子。図左下はNASAの科学衛星THEMISで観測された磁場のスペクトルで、14:40前後に周波数が上昇する電波(電磁イオンサイクロトロン波動)が観測されている(白点線で強調)。中央はイオンと電波の共鳴の模式図。右上図は電波発生の理論的に示唆される電波発生時のイオン群の分布で、図面右寄りに薄い密度の穴(青色で表現)が現れる。右下図が、THEMIS衛星が捉えたイオンの穴で、右上図の低密度領域に対応する。

 

詳細については、名古屋大学のホームページをご覧ください。
 

―東京大学大学院理学系研究科・理学部 広報室―