2016/07/04

レーザー電場のない条件下での気体分子の完全配向制御に成功!

―「分子ムービー」を始めとするさまざまな応用研究への利用が期待 ―

 

酒井 広文(物理学専攻 准教授)

発表のポイント

  • 通常ランダムな気体分子の向きをレーザー電場の存在しない条件下で、頭と尻尾の向きも区別しつつ3次元的に配向制御することに成功した。
  • 本研究により、レーザー電場の存在しない条件下で気体分子を完全配向制御することに初めて成功した。分子偏向器で初期回転量子状態を選別した分子試料を用いることにより、応用実験に使用するのに十分な高い配向度も実現した。
  • 完全配向制御された分子は、近年分子科学分野で実現が期待されている「分子ムービー」を実現するための試料としても最適である。本研究が将来的にDNAの放射線損傷のメカニズムの解明や光化学反応を用いた創薬に発展することが期待される。

発表概要

東京大学大学院理学系研究科の酒井広文准教授の研究グループは、通常ランダムな気体分子の向きをレーザー電場の存在しない条件下で、頭と尻尾の向きも区別しつつ3次元的に(注1)配向制御する(注2)ことに初めて成功した。分子の頭と尻尾も区別した3次元的な配向制御は、気体分子の空間的な向きに関する完全配向制御を意味する。

気体分子は一般に異方性をもつが、ランダムな向きの分子試料を用いた実験では、試料分子の異方性に起因する効果は平均化されてしまう。したがって、化学反応の立体ダイナミクス研究(注3)や分子内電子の立体ダイナミクス研究(注4)では、配向した試料分子を用意することが不可欠となる。近年進展が著しい高強度レーザー電場を用いた気体分子の配向制御技術の開発においては過去10年余にわたり、本研究グループが一貫して世界をリードする研究を進めてきた(注5)。しかし、気体分子の空間的な向きの完全配向制御に相当する3次元的な配向制御をレーザー電場の存在しない条件下で実現することはできていなかった。今回、本研究グループが蓄積してきた実験技術を集大成し、レーザー電場の存在しない条件下で気体分子の完全配向制御に初めて成功した。

具体的には、弱い静電場と楕円偏光(注6)した高強度ナノ秒レーザー電場を併用して気体分子を3次元配向する手法に本研究グループが独自に開発したプラズマシャッター技術を用いて高強度ナノ秒レーザーパルスを立下り150 fsの超高速で遮断することにより、レーザー電場の存在しない条件下で気体分子の完全配向制御に初めて成功した。分子偏向器で初期回転量子状態を選別した分子試料を用いることにより、応用実験に使用するのに十分な高い配向度も実現した。

完全配向制御された分子試料を化学反応の立体ダイナミクス研究や分子内電子の立体ダイナミクス研究などの試料として用いることにより、分子の異方性に起因する様々な現象における配向依存性を明らかにすることができる。また、近年分子科学分野で実現が期待されている「分子ムービー(注7)」を実現するための試料としても最適である。本研究が将来的にDNAの放射線損傷のメカニズムの解明や光化学反応を用いた創薬に発展することが期待される。

発表内容

東京大学大学院理学系研究科の酒井広文准教授のグループは、通常ランダムな気体分子の向きをレーザー電場の存在しない条件下で、頭と尻尾の向きも区別しつつ3次元的に配向制御することに初めて成功した。

気体分子は一般に異方性をもつが、ランダムな向きの分子試料を用いた実験では、試料分子の異方性に起因する効果は平均化されてしまう。したがって、化学反応の立体ダイナミクス研究や分子内電子の立体ダイナミクス研究では、配向した試料分子を用意することが不可欠となる。近年進展が著しい高強度レーザー電場を用いた気体分子の配向制御技術の開発においては過去10年余にわたり、本研究グループが一貫して世界をリードする研究を進めてきた。まず、弱い静電場と直線偏光したレーザー電場を併用する手法で1次元的配向制御に成功した。続いて、弱い静電場と楕円偏光したレーザー電場を用いて3次元的な配向制御にも成功した(注8)。これらの原理実証実験ではナノ秒レーザーパルスを用い、配向制御は高強度レーザー電場中で実現される(断熱的配向制御)。この高強度レーザー電場の存在が、応用実験では結果に影響する懸念があるため、レーザー電場のない条件下での配向制御の実現が強く望まれていた。そこで本研究グループは、静電場とレーザー電場を併用する手法が断熱領域で有効であることに着目し、ナノ秒レーザー電場を立下り150 fsの超高速で遮断するプラズマシャッター技術を独自に開発することにより、レーザー電場の遮断直後や試料分子の回転周期後にレーザー電場の存在しない条件下で配向制御することに成功した(注9)。一方、パルス分子線バルブを用いて供給する分子試料を用いた場合、互いに逆方向を向く初期回転量子状態が混在しているため、応用実験に利用するのに十分な高い配向度を実現することは困難であった。そこで、より低い初期回転量子状態を選別できる分子偏向器を開発し、実際に状態選別された試料分子を用い、弱い静電場と直線偏光した高強度レーザー電場にプラズマシャッター技術を適用することにより、レーザーパルスの遮断後にレーザー電場の存在しない条件下での配向制御に成功した。しかし、気体分子の空間的な向きの完全配向制御に相当する3次元的な配向制御をレーザー電場の存在しない条件下で実現することはできていなかった。

今回、本研究グループが蓄積してきた実験技術を集大成し、レーザー電場の存在しない条件下で気体分子の完全配向制御に初めて成功した。具体的な研究手法は以下の通りである。実験試料として分子偏向器で初期回転量子状態を選別した3,4-ジブロモチオフェン分子(C4H2Br2S: DBT分子と呼ぶ)を用いた。このDBT分子が3次元配列(頭と尻尾を区別せずに分子面を楕円偏光面内に揃える)や3次元配向(頭と尻尾を区別して分子面を楕円偏光面内に揃える)している様子をクーロン爆裂イメージング法(注10)によって観測する方法を図1に示す。DBT分子を配列・配向するためのレーザーパルスとしてナノ秒Nd:YAGレーザーの基本波(波長λ=1064 nm)を用いる。まず、3次元配列の様子はレーザー電場の偏光楕円の長軸を検出器面に平行にして観測する。

図2(a)は比較のため直線偏光を用い、配列の指標として高強度フェムト秒パルスを照射して生成されたDBT分子の多価イオンから生成されたBr+を用いて観測したイメージである。Br+イオンは直線偏光と平行な垂直方向に沿って分布しているものの、比較的広い範囲にわたってBr+イオンが分布している様子が分かる。これはDBT分子が直線偏光の方向に1次元的に配列しているものの、直線偏光の周りに回転していることを反映している。これに対し、楕円偏光を用いると(図2(b))、Br+イオンが楕円偏光面によく沿っている様子を確認でき、DBT分子が楕円偏光面に沿って3次元的配列が実現していると解釈できる。次に3次元配向の様子を観測するために、図1(b)に示すように楕円偏光の長軸を速度マップ型イオン画像化装置(注11)のイオン引き出し用の静電場と120°の角をなすようにする。この配置により、静電場とレーザー電場の併用により分子配向を実現できる。

図1. 3,4-ジブロモチオフェン分子が3次元配列(頭と尻尾を区別せずに分子面を楕円偏光面内に揃える)している様子を観測する方法(a)、及び、3次元配向(頭と尻尾を区別して分子面を楕円偏光面内に揃える)している様子を観測する方法(b)。3次元配列を観測する場合には、楕円偏光の長軸を検出器面に平行にして観測する。一方、3次元配向を観測する場合には、楕円偏光の長軸を速度マップ型イオン画像化装置のイオン引き出し用の静電場と120°の角をなすようにして観測する。この配置により、静電場とレーザー電場の併用により分子配向を実現できる。

 

図2. (a)は、図1(a)の配置で比較のため直線偏光を用い、配列の指標として高強度フェムト秒パルスを照射して生成されたDBT分子の多価イオンから生成されたBr+を用いて観測したイメージ。(b)は図1(a)の配置で実際に楕円偏光を用いて観測したBr+のイメージ。

 

実際に、この配置で観測したBr+イオンの角度分布を図3(b)に示す。比較のため、直線偏光を用い、同じく静電場と120°の角をなすようにして観測したBr+イオンの角度分布を図3(a)に示す。

図3. (a)は、図1(b)の配置で比較のため直線偏光を用い、静電場と120°の角度をなすようにして観測したBr+イオンの角度分布。(b)は図1(b)の配置で実際に楕円偏光を用いて観測したBr+イオンの角度分布。

 

まず、両図とも、Br+イオンがイメージの上側により多く分布していることが確認でき、DBT分子がBr原子を上側にして配向していることが分かる。また、図2で確認した3次元配列の時と同様に楕円偏光を用いて観測された図3(b)の方が直線偏光を用いて観測された図3(a)の時よりもBr+イオンが楕円偏光面によく沿っている様子を確認できる。したがって、図3(b)に示されたBr+イオンの角度分布はDBT分子が楕円偏光面に沿って3次元的に配向している証拠と解釈できる。配向の度合いは二つの指標で評価した。まず、Br+イオンの角度分布を図2(a)と図3(a)に示したθ2Dを用いて<cos2θ2D>で評価する。この指標は、図2と図3で確認した様に、1次元配列が実現しているときよりも3次元配列が実現しているときにより高い値を示す。また、配向の度合いは、Br+イオンの上下の非対称性をBr+の全イオン数をNtotal、上側に観測されたイオン数をNupとして、Nup/Ntotalで表す。その指標は、分子配列のみが実現しているときは約0.5であるが、分子配向が実現すると、図1(b)の配置では0.5よりも大きくなる。図3(b)に示したBr+イオンの角度分布に対し、<cos2θ2D>=0.86、Nup/Ntotal=0.63の高い値が達成できた。

さらに、レーザー電場の存在しない条件下での3次元配向を実現するために、図1(b)の配置のまま、ナノ秒Nd:YAGレーザーのピーク強度付近でプラズマシャッターを動作させ、YAGレーザー電場を立下り150 fsの超高速で遮断した。レーザー電場の遮断前後の<cos2θ2D>とNup/Ntotalの時間発展をそれぞれ図4と図5に示す。

図4. レーザー電場の遮断前後の<cos2θ2D>の時間発展。(a)YAGレーザーパルス中でBr+イオンに対して観測した<cos2θ2D>の時間発展。相互相関法で観測したYAGレーザーパルスの強度変化も示されている。(b)プラズマシャッターの動作前後で観測したS+イオンに対する<cos2θ2D>の時間発展。楕円偏光の長軸に沿った1次元的配列の度合いの指標として役立つ。(c) プラズマシャッターの動作前後で観測したBr+イオンに対する<cos2θ2D>の時間発展。楕円偏光面内への分子面の閉じ込めの度合いの指標として役立つ。(b)と(c)に示した<cos2θ2D>の時間発展は、(a)中の1~3の縦線で示したタイミングでプラズマシャッターを動作させたときのものである。

 

図5. レーザー電場の遮断前後のNup/Ntotalの時間発展。(a)YAGレーザーパルス中でBr+イオンに対して観測したNup/Ntotalの時間発展。相互相関法で観測したYAGレーザーパルスの強度変化も示されている。(b)プラズマシャッターの動作前後で観測したBr+イオンに対するNup/Ntotalの時間発展。配向の度合いの指標として役立つ。(b)に示したNup/Ntotalの時間発展は、(a)中の1~3の縦線で示したタイミングでプラズマシャッターを動作させたときのものである。

 

これらの観測結果から、高強度レーザー電場を遮断後に、レーザー電場のない条件下で少なくとも5 ps程度3次元的配向制御が実現していることを確認できた。5 psという時間は、フェムト秒パルスを用いた分子内電子の立体ダイナミクス研究を始めとする様々な応用研究に対し、十分に長い時間である。

気体分子、特に、最も一般的な非対称コマ分子の3次元的配向制御は、分子の空間的な向きの完全な制御を意味する。この3次元配向制御をレーザー電場の存在しない条件下で実現できたことは、静電場とレーザー電場を併用する手法として究極的な配向制御手法の実現を意味し、大きな区切りとなる成果である。気体分子の配向制御技術に関する今後の課題は、本研究グループが独自に提案し、原理実証にも成功した非共鳴2波長レーザー電場のみを用いる全光学的配向制御技術(注12)の高度化を実現することである。具体的には、この全光学的配向制御手法にもプラズマシャッター技術を適用し、レーザー電場だけでなく、静電場も存在しない完全にフィールドフリーな条件下での配向制御技術を確立する。2波長レーザー電場の偏光方向を平行にすれば1次元的な配向制御ができ、偏光方向を交差させることにより、3次元的な配向制御が実現する。この場合にも、回転量子状態を選別した試料分子を用いることにより、応用実験に利用するのに十分な高い配向度を達成できる。

一方、完全配向制御された分子試料を化学反応の立体ダイナミクス研究や分子内電子の立体ダイナミクス研究などの試料として用いることにより、分子の異方性に起因する様々な現象における配向依存性を明らかにすることができる。また、近年分子科学分野で実現が期待されている「分子ムービー」を実現するための試料としても最適である。本研究は将来的にDNAの放射線損傷のメカニズムの解明や光化学反応を用いた創薬に発展することが期待される。

本成果は、酒井広文研究室の修士課程の武井大祐大学院生(研究当時)、博士課程の文堤會大学院生(研究当時)、及び峰本紳一郎助教との共同研究によるものである。

なお、本研究は以下の補助金の支援を受けて行われた。
1. 科学研究費補助金(文部科学省)、特別推進研究(課題番号21000003)「配向制御技術で拓く分子の新しい量子相の物理学」
2. 科学研究費補助金(日本学術振興会)、基盤研究(A)(課題番号26247065)「配向した分子中から発生する高次高調波の物理過程の解明」
3. 文部科学省「光・量子科学研究拠点形成に向けた基盤技術開発 最先端の光の創成を目指したネットワーク研究拠点プログラム」

 

発表雑誌

雑誌名 米国物理学会の発行する「Physical Review A」誌(7月1日オンライン版)
Vol. 94, No. 1, article No. 013401 (2016)
論文タイトル Laser-field-free three-dimensional molecular orientation
著者 Daisuke Takei, Je Hoi Mun, Shinichirou Minemoto, and Hirofumi Sakai
DOI番号 10.1103/PhysRevA.94.013401
論文URL http://journals.aps.org/pra/abstract/10.1103/PhysRevA.94.013401

 

用語解説

注1 1次元的および3次元的制御

3次元空間に固定した座標系から、分子に固定した座標系がどのように回転したかを表すために用いられる3つの角度をオイラー角と呼ぶ。このオイラー角の一つを制御することを1次元的制御と呼び、三つとも制御することを3次元的制御と呼ぶ。

注2 配列制御と配向制御

分子の頭と尻尾を区別せずに分子軸あるいは分子面を揃えることを配列(alignment)と呼び、頭と尻尾も区別して揃えることを配向(orientation)と呼ぶ。

注3 化学反応の立体ダイナミクス研究

化学反応は試料分子に対し、他の原子や分子がどちらから衝突するかによって反応生成物が異なったり、同じ反応生成物ができる場合でも反応速度が異なったりする。そのような分子の向きに依存する化学反応の詳細を追究する学問を「化学反応の立体ダイナミクス」と呼び、半世紀以上の長い歴史がある。

注4 分子内電子の立体ダイナミクス研究

異方性をもつ分子試料に高強度フェムト秒パルスを照射することにより、トンネルイオン化して生成された電子波束がレーザー電場の一周期以内に再衝突する際に、高次高調波発生、非段階的2重イオン化、高エネルギー電子の発生などの興味深い現象が発現する。これらの現象は電子波束が親イオンに対し、どの方向から再衝突するかによって結果が大きく異なる。この様な分子内電子の再衝突過程で起こる様々な物理現象の配列・配向依存性を解明する研究を「分子内電子の立体ダイナミクス研究」と呼ぶ。本研究グループは、この新しい研究分野である「分子内電子の立体ダイナミクス研究」の開拓を世界に先駆けて推進している。この様な分子内電子の立体ダイナミクスに関する最も顕著な研究例として、本研究グループからのプレスリリース「分子を整列させ“電子の波”の干渉効果を観測―分子構造の極限的短時間(10-15 秒)精度での撮影手法に道―」を参照されたい。
参照URL: http://www.s.u-tokyo.ac.jp/ja/press/2005/14.html

注5 気体分子の配向制御技術の開発研究に関する本研究グループの貢献

この点については、本研究成果に関する論文の査読において、レフェリーから次のコメント(原文は英語)が寄せられている。:気体分子の空間配向制御は、空間に固定された分子の分光学のような数多くの研究分野、なかんずく、化学反応の制御において重要であることから長年にわたり重要課題の一つとなっている。本論文を投稿している研究グループは、当該分野に複数の目覚ましい貢献をしてきており、今回の成果は分子の空間配向制御という目標を追究する上でさらなる進歩と位置づけられる。

注6 偏光

レーザー光の進行方向に垂直な面内で、電場が直線運動および楕円運動をするとき、その光をそれぞれ直線偏光および楕円偏光と呼ぶ。

注7 分子ムービー

分子の核間距離や屈曲角の変化などの超高速な構造変化の様子を可視化したものを「分子ムービー」と呼び、その実現は分子科学分野の大きな目標の一つとなっている。本研究グループは、高エネルギー加速器研究機構物質構造科学研究所の柳下明シニアフェローらと共同で、X線自由電子レーザーパルスを用いた超高速X線光電子回折像の観測に基づく「分子ムービー」の実現を目指すプロジェクトを進めている。
参照URL: http://www.s.u-tokyo.ac.jp/ja/press/2015/39.html

注8 3次元的配向制御

本研究グループは、静電場と楕円偏光したレーザー電場の併用により、気体分子の3次元的な配向制御の原理実証に成功した。
参照URL: http://www.s.u-tokyo.ac.jp/ja/press/2005/21.html

注9 レーザー電場のない条件下での分子配向制御

弱い静電場とナノ秒高強度レーザー電場を併用する手法に本研究グループが独自に開発したプラズマシャッター技術を適用し、ナノ秒レーザー電場を立下り150 fsの超高速で遮断することにより、レーザー電場の遮断直後や試料分子の回転周期後にレーザー電場の存在しない条件下で配向制御することに成功した。
参照URL: http://www.s.u-tokyo.ac.jp/ja/press/2008/13.html

注10 クーロン爆裂イメージング法

高強度フェムト秒パルスを照射された試料分子は多価イオンとなり、クーロン反発力により分子を構成する原子イオンは瞬時に解離する。このため、原子イオンの放出方向は、元の分子の解離直前の向きを反映したものとなる。原子イオンの角度分布を後述する速度マップ型イオン画像化装置を用いて観測すれば試料分子集団の空間的な向きを知ることができる。

注11 速度マップ型イオン画像化装置

3枚の電極の間の二つの領域の電場強度の比を適切に設定することにより、分子試料とレーザーパルスの相互作用領域中で生成されたフラグメントイオンのうち、初速度が同じものが2次元検出器面の同一点上に到達する。2次元検出器はマイクロチャンネルプレートと蛍光スクリーンからなり、蛍光スクリーン上に現れたイオンイメージをCCDカメラで検出する。図2と図3に示したイオンイメージはこの様にして観測されたフラグメントイオンの角度分布である。

注12 非共鳴2波長レーザー電場のみを用いる全光学的配向制御技術

気体分子の頭と尻尾を区別して向きを揃える配向制御を、静電場を用いずに非共鳴2波長レーザー電場のみを用いる全光学的手法によって実現することに初めて成功した。
参照URL: http://www.s.u-tokyo.ac.jp/ja/press/2010/18.html

―東京大学大学院理学系研究科・理学部 広報室―