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受賞・表彰

DATE2021.04.29 #受賞・表彰

山形俊男名誉教授が瑞宝中綬章を受章

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山形俊男名誉教授


山形俊男名誉教授(地球惑星科学専攻)が、2021年4月29日の褒章発令において、長年にわたる卓抜した研究と教育のご功績が認められ、瑞宝中綬章を受章されました。

山形名誉教授は、地球惑星流体力学を基礎とする海洋物理学や気候力学の分野において、様々な気候・海洋変動現象のメカニズムの解明とそれらの予測の研究で世界を牽引してきました。特に、太平洋で発生するエルニーニョ現象の研究では、大気と海洋の結合系に存在する不安定現象に関する理論的基礎を与え、その後のエルニーニョ研究の飛躍的発展をもたらしました。また、インド洋における同様の気候変動であるインド洋ダイポールモード現象を発見、命名し、これまでの熱帯起源の気候変動に関する理解を根本的に塗り替えています。他にも、熱帯や中緯度域での大気海洋結合変動が本質的な気候変動現象の重要性を提示し、この分野で現在活発に行われている多くの研究を先導してきました。さらに、これらの気候変動現象の予測可能性や、予測結果の応用利用を目指す研究も行い、一般社会活動においても多くの目的で利用される成果を世界的に発信しています。

山形名誉教授は東京大学を2012年3月にご退職後、海洋研究開発機構アプリケーションラボ所長として研究プロジェクトを推進しました。現在も同機構特任上席研究員として、自然科学に加え社会科学も視野に入れた広い視点での研究を精力的に行い、国際プロジェクトをリードされています。

ここに、山形名誉教授のご受賞を、心よりお祝いいたします。

内閣府ウェブサイト
https://www8.cao.go.jp/shokun/hatsurei/r03haru.html#jokun

(文責:地球惑星科学専攻 教授 升本 順夫)