2020/04/18

日比谷紀之教授が令和2年度文部科学大臣表彰科学技術賞を受賞

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日比谷紀之教授


地球惑星科学専攻の日比谷紀之教授が文部科学大臣表彰科学技術賞(研究部門)を受賞されました。日比谷教授が長年取り組んでいる深海での乱流混合過程に関する研究活動が「我が国の科学技術の発展等に寄与する可能性の高い独創的な研究」と認められ授与されたものです。

長期気候をコントロールする深層海洋循環の維持に重要な役割を果たしている深海乱流混合の詳細は、観測データや理論的枠組みが不十分なこともあり、未解明のまま残されてきました。日比谷教授は、この深海乱流混合の実態を「超高速コンピュータによる理論的予測」と「観測による検証」という二刀流を駆使して明らかにすることで、世界の関連分野の研究を牽引してきました。特に、深海乱流強度の全球マッピングを行い、その緯度依存性を世界に先駆けて発見したことは、深海乱流研究への大きな貢献の一つです。さらに日比谷教授は、潮汐と並んで深海乱流混合の主なエネルギー源と考えられてきた風応力の関与を否定し、新たに深海底の凹凸地形上で励起された乱流ホットスポットの重要性を指摘するとともに、これまでの研究成果に基づいて、海洋表層、中・深層、底層における高精度な乱流パラメタリゼーションの式を開発しました。これら一連の研究は、今まで局所的な範囲に留まっていた深海乱流研究をグローバルな視点から切り拓いたものとして高く評価されており、その成果は深層海洋循環モデルの高精度化、ひいては気候変動予測の革新的発展をもたらすものと期待されています。

日比谷紀之教授のご受賞を心よりお祝い申し上げますとともに、今後とも益々のご活躍を祈念しております。

令和2年度文部科学大臣表彰
https://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/mext_00187.html


(文責:地球惑星科学専攻 教授 升本順夫)

 

 

―東京大学大学院理学系研究科・理学部 広報室―

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