2019/01/28

細胞壁の形成を促進する新しい仕組みを発見

〜次世代バイオ素材・バイオ燃料の原料供給に光明〜

 

国立遺伝学研究所

東京大学大学院理学系研究科

理化学研究所

概要

植物の細胞壁は、陸上に存在する最大の生物資源です。木材や綿、紙パルプ等の工業製品の材料に利用されるだけでなく、近年では、セルロースナノファイバーのような次世代バイオ素材やバイオ燃料の原料としても注目されています。

国立遺伝学研究所 小田祥久准教授らの研究グループは、細胞壁が活発につくられる道管に着目することで、「細胞壁の形成」を促進する新しいタンパク質WALとBDR1を世界に先駆けて発見しました。WALタンパク質は、細胞壁成分の輸送を担うアクチン繊維を集めていることがわかりました。一方、BDR1タンパク質は、WALがアクチン繊維を集める場所を決定していました。つまり、これらのタンパク質がアクチン繊維を「どこに集めるか」を制御することで、細胞壁の形成を制御していることが明らかになったのです。

これらのタンパク質を利用して細胞壁の形成を促進することができれば、細胞壁の生産量の多い植物の開発に繋がると期待されます。

本研究は、東京大学大学院理学系研究科、理化学研究所 環境資源科学研究センターとの共同研究として行われました。

 

 

図. 道管を構成する細胞は、「壁孔」を伴った細胞壁を形成する。壁孔の縁は特に細胞壁の形成が活発におこり、アーチ状の細胞壁が形成される(上)。今回、壁孔の縁ではたらくタンパク質WALとBDR1を同定した。これらのタンパク質はROPタンパク質とアクチン繊維を仲介して細胞壁の形成を制御する全く新しい仕組みであることが判明した(下)。

本研究成果は、英国オンライン科学誌『Nature Communications』に2019年1月28日午後7時(日本標準時)に掲載されました。

詳細については、国立遺伝学研究所のホームページをご覧ください。

―東京大学大学院理学系研究科・理学部 広報室―

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