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2016/10/03
大隅良典先生が2016年ノーベル生理学・医学賞を受賞されることになりました
大隅良典先生が2016年ノーベル生理学・医学賞を受賞されることになりました。心よりお慶び申し上げます。大隅先生は、東京大学の教養学部を卒業後、理学系研究科相関理化学専門課程に進まれ、1974年に理学博士の学位を取得しました。その後、アメリカ合衆国ロックフェラー大学で研究を行い、1977年より1988年まで東京大学理学部生物学科の安楽泰宏先生の研究室で助手、講師を務められました。この間に、今回ノーベル賞受賞の研究テーマである、オートファジー(細胞が自らのタンパク質等の自己成分を分解して再利用する仕組み)の研究の着想を得たと伺っています。その後、東京大学教養学部の助教授、基礎生物学研究所の教授として、オートファジーの研究を発展させ、オートファジーの分子機構を明らかにすると共に、オートファジーの異常が様々な病気の原因になることを明らかにし、医学の分野でも大きな貢献をしました。理学系研究科では、平成27年度から理学系研究科・理学部諮問会委員を務めていただいていて、基礎科学の研究者の立場から、私たち後進に貴重な意見を述べていただいています。大隅先生の研究は、酵母を用いた独自の着想による基礎研究が実を結んだものであり、まさに理学研究の典型です。このような基礎科学がノーベル賞を受賞したことは理学系研究科としても喜びに堪えません。
東京大学大学院理学系研究科長・理学部長
福田裕穂
―東京大学大学院理学系研究科・理学部 総務課―