2013/11/28

上田一夫名誉教授が瑞宝中綬章を受章

本研究科名誉教授の上田一夫先生が2013年秋の叙勲において、瑞宝中綬章を受章されました。これは、先生の本学等における長年に亘る動物生理学・動物行動生理学分野の教育および顕著な研究業績が高く評価されたものです。

上田先生は、サケの母川回帰をはじめとする数々の動物のいわゆる本能行動に対して先端的な神経生理学・神経解剖学・行動学などの研究手法を適用して基礎生物学的に解析する、いわゆる神経行動学とよばれる研究分野を日本で初めて開始して大きな成果を上げ、世界的な草分けとしてこの研究分野の発展に貢献されました。先生の研究業績は、大きく次の3つからなります。1)サケの母川回帰行動の脳内メカニズムに関する神経生物学的研究、2)魚類やヒキガエルにおける性行動や摂餌行動などの本能行動の神経機構に関する神経生物学的研究、3)ヒトの化学感覚(味覚,嗅覚)と圧感覚(被服圧,着心地)を先端的生物学の対象として扱う新たな家政学分野の開拓。

このように、先生は東京大学において長年研究・教育に尽力し、学術上も多くのすぐれた業績をあげられると共に、多くの研究者を育成して動物学の発展に寄与されました。さらに、東京大学退職後も共立女子大学において、その誠実な人柄により職員、学生より信頼され、行政面においても適切な指導力と豊かな協調性を示すなど、研究、教育、行政に関してバランスの取れた多大な業績を残されました。

このたびの受章を心よりお慶び申し上げます。

(文責:生物科学専攻 教授 岡良隆)
 

 

 

 

―東京大学大学院理学系研究科・理学部 広報室―

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