第15回理学部公開講演会『理学の最高峰』

理学の最高峰

昨年4人の日本人研究者がノーベル賞の受賞に輝きました。日本人による基礎研究が国際的に高く評価されたことは喜ばしいことです。

本講演会では、物理学賞の対象となった「対称性とその破れ」と化学賞の「緑色蛍光たんぱく質」、さらに数学分野で最高の栄誉であるフィールズ賞が贈られた「ポアンカレ予想」をテーマに、各分野で活躍する研究者がその概要と最先端の研究についてわかりやすく解説します。

講演者・講演内容

宇宙誕生はじめの1秒間の謎 ~対称性とその破れ~

濱口幸一准教授

濱口 幸一(理学系研究科 物理学専攻 准教授)

宇宙誕生後最初の1秒間に何が起こったかー実はこの問いに対する答えはほとんど分かっていません。そしてこの問いは、「宇宙に『物質』は存在するのに『反物質』がほとんどないのは何故なのか? 宇宙は何で出来ているのか?宇宙の主成分である暗黒物質・暗黒エネルギーとは何なのか? それらはいつ、どのように作られたのか? これらを説明する基本的な理論は何か?」といった根源的な問題を含んでいます。こうした謎に迫る最近の素粒子論の研究を、昨年のノーベル物理学賞の受賞理由にあった「対称性とその破れ」をキーワードに紹介します。

講演趣旨

東京大学大学院理学系研究科物理学専攻博士課程修了、東北大学理学研究科(日本学術振興会特別研究員)、ドイツ DESY研究所 研究員、ドイツ DESY研究所 スタッフを経て、2006年より現職。理学博士。

クラゲの光るタンパク質が生命の謎を解く

中野明彦教授

中野 明彦(理学系研究科 生物科学専攻 教授)

昨年のノーベル化学賞受賞で大きな話題になったクラゲの光るタンパク質 GFP。下村脩先生が、純粋に学問的な興味から追い求め、見つけた GFPは、発見から何十年もたったいま、世界の生命科学に大革命をもたらしています。生細胞イメージング−細胞の中で起こっている極微細の現象を生きたままで観察すること−が可能になり、さまざまな生命の謎が「目で見る」ことによって解決され始めているのです。細胞内小器官「ゴルジ体」についての世界を二分した激しい論争を、私たちのたった1つの動画が解決した一例についてご紹介しましょう。

講演趣旨

東京大学大学院理学系研究科生物化学専攻博士課程修了、国立予防衛生研究所研究員、東京大学理学部講師、助教授、理化学研究所主任研究員を経て、2003年より現職。理学博士。

ポアンカレ予想

松本幸夫名誉教授

松本 幸夫(数理科学研究科 名誉教授)

19世紀から20世紀初頭にかけて活躍した数学者ポアンカレによって、1904年に提出された「ポアンカレ予想」についてお話します。ポアンカレは現代的なトポロジーの基礎理論を作りましたが、その理論を書いた論文の最後で、「3次元球面」とよばれるある空間の形の特徴づけに関する問題を提出しました。簡単に言えば、通常の球面と似た性質をもつ3次元の空間は3次元球面だけか、という問題です。これがポアンカレ予想とよばれる問題で、その後約100年間未解決でしたが、数年前にロシアのペレルマンという数学者により解決されて話題になりました。

講演趣旨

東京大学大学院理学系研究科修士課程修了(数学)、東京大学理学部助手、教養学部助教授、理学部助教授、理学部教授、数理科学研究科教授を経て、2007年東京大学名誉教授。現在学習院大学理学部数学科教授。理学博士。

日時

2009年4月26日(日) 14:00~16:30(13:00開場)

終了後、講演者との歓談の時間を設けます

場所

東京大学本郷キャンパス 安田講堂

入場

無料。事前申し込み不要。どなたでもご参加いただけます。

定員

700名(当日先着順)

中継

インターネット中継は終了しました。

お知らせ

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問い合わせ先

東京大学大学院理学系研究科・理学部 広報室

電話
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