第2回公開講演会開催される

第2回公開講演会開催される

広報委員長 浦辺徹郎

鞭毛運動の機構についての質問に答える真行寺千佳子助教授

スーパーカミオカンデとニュートリノについて話す鈴木洋一郎教授

ニュートリノ天文学について話す佐藤勝彦教授

12月20日数理科学研究科大講義室において、東京大学大学院理学系研究科・理学部の第2回公開講演会が開催された。会場を駒場キャンパスとしたのは、これからの基礎科学を担う駒場生,高校生を対象に、研究とは実際に何をすることなのかを知ってもらうためであった。今回は大学院生に企画と司会をお願いしたが、企画の段階で、小柴名誉教授のノーベル賞受賞が決まり、講演会の一部をノーベル賞受賞記念特集とすることとした。今回小柴先生のご出席の予定は無かったが、3つの日刊紙にノーベル賞受賞記念講演会との案内が出て、御本人が来られるかどうか問い合わせが殺到するというハプニングがあった。

会は生物科学専攻の真行寺千佳子助教授の講演で始まった。鞭毛の規則的で美しい波打ち運動を生み出す鞭毛の構造と仕組みをどのようにして解明していったか、動画やアニメーションを使って分かりやすく説明があった。これに対し質問が次々に出されたが、時間の関係ですべてを受けることができなかった。

次いで、宇宙線研究所神岡宇宙素粒子研究施設の鈴木洋一郎教授が、ユーモアを交えてニュートリノの説明をされた。「ニュートリノにわか知識をひけらかし」という万能川柳が毎日新聞にでていたが、まさにそれをしたくなるような分かりやすさで、ニュートリノ天文学という新しい分野がカミオカンデによって開かれた経緯を理解することができた。話はスーパーカミオカンデにおよび、ニュートリノ振動を明らかにした研究の紹介がなされた。

最後に理学系研究科長の佐藤勝彦教授が、現場の近くにいた理論家の立場から、ノーベル賞受賞の対象となった超新星ニュートリノの検出について、息詰まるデータ解析レースの紹介をされた。神岡からデータを記録した磁気テープが東大に届いたのが、小柴先生の退官記念パーティーの当日であったというエピソードを紹介されるとともに、その後の理論的進展について解説され、ニュートリノ天文学が宇宙の創世期の姿を写しだす可能性を秘めているという説明があった。これを熱心に聞いていた中学生が、なぜ宇宙は膨張するのですかという哲学的な質問をして、皆を驚かせた。

数理科学研究科大講義室は、木をふんだんに使ったアットホームな雰囲気を持つ会場で、予定を1時間も延長したにもかかわらず、会場を埋めた220余名の聴衆はほとんど席を立たなかった。世話役が云うのも何であるが、これほど演者と聴衆が一体となった講演会も少ないように思う。現在、アンケートの取りまとめ中であるが、ほとんどの人が記入して下さった。これも数理科学研究科の皆様が会場のセットアップや暖房の延長など、きめ細やかな配慮をして下さったおかげと、感謝している。なお、この講演会の様子は理学部のホームページ上でライブ中継された。