東大理学部 高校生のための冬休み講座 2017

東大理学部 高校生のための冬休み講座 2017

12月27日(水)

講義1
原子を積み重ねて未知の結晶をつくる
~薄膜合成を利用したものづくり~
化学科 廣瀬 靖 准教授
廣瀬靖准教授
— 経歴 —
東京大学大学院新領域創成科学研究科物質系専攻博士課程修了後、日本学術振興会特別研究員、神奈川科学技術アカデミー研究員、東京大学大学院理学系研究科 特任助教、助教を経て2015年より現職。博士(科学)。

自分だけのオリジナルな物質の合成は化学の醍醐味の一つです。原子が規則正しく配列してできる結晶は、元素の組み合わせ(組成)や並び方(構造)によって様々な性質を示しますが、真空中で原子を一層ずつ積み重ねる薄膜合成という方法を使うと、組成や構造をナノスケールで制御した新しい結晶の合成が可能になります。さらに、異なる性質をもつ結晶を積み重ねることで、不安定な結晶を安定化したり、境界領域に新しい性質を出現させたりすることもできます。講義では金属の酸化物を中心として、薄膜合成の具体的な方法や物質合成の例について紹介します。

講義2
ニュートリノビームで狙う宇宙の謎
物理学科 横山 将志 准教授
横山将志准教授
— 経歴 —
東京大学大学院理学系研究科物理学専攻博士課程修了、京都大学大学院理学研究科助手、同助教を経て2009年より現職。博士(理学)。

電子の仲間ですが電気を帯びていない,不思議な性質を持った素粒子「ニュートリノ」。飛んでいる間に種類が自然と変わる「ニュートリノ振動」の発見により,梶田先生が2015年ノーベル物理学賞を受賞されました。現在,私たちはニュートリノ振動を詳細に調べるために,人工的に作ったニュートリノを300km離れたスーパーカミオカンデ検出器に打ち込む壮大な実験を行なっています。また,研究をさらに発展させ宇宙の成り立ちの謎にも迫るべく,次世代の実験ハイパーカミオカンデを計画しています。ニュートリノの研究でこれまで何がわかって,これから何が期待されるか,お話しします。

講義3
スーパーコンピューティングへの招待
情報科学科 須田 礼仁 教授
須田礼仁教授
— 経歴 —
1993年東京大学理学系研究科情報科学専攻修士課程修了。同年東京大学理学部助手。1996年東京大学博士(理学)。名古屋大学講師・助教授、東京大学助教授(准教授)を経て2010年より現職。

皆さんが日々お世話になっている天気予報から最先端の科学研究まで、スーパーコンピュータが使われています。東京大学は、京コンピュータより速い Oakforest-PACS というスーパーコンピュータを筑波大学との共同で設置しています。なぜ人々は莫大な計算を高速に行うスーパーコンピュータを必要とするのか、それには明快な理由があります。また、高性能を実現する原理から、性能の限界に挑んできた格闘の歴史、目下最先端のアルゴリズム研究開発の現場をご紹介し、さらに未来のスーパーコンピューティングに想像を巡らせたいと思います。