東大理学部 高校生のための冬休み講座 2017

東大理学部 高校生のための冬休み講座 2017

12月26日(火)

講義1
ボルボックスの仲間から性と多細胞の進化を探る
~リングを退きフィールドとゲノム解析に賭ける~
生物学科 野崎 久義 准教授
野崎久義准教授
— 経歴 —
1978年慶應義塾高等学校教諭・ボクシング部長、1992年国立環境研究所主任研究員、1995年より現職。理学博士。

メスとオスの起源を探るのには、雌雄が未分化な生物と雌雄をもつ近縁な生物を比較研究する必要があった。この条件に叶い、性決定遺伝子まで明らかになっていたのはボルボックスの仲間だけであった。2006年に我々はこの仲間の相模湖産新種プレオドリナ・スターリーからオス特異的遺伝子“OTOKOGI”を発見し、オスは原始的な性の派生型から進化したことを示した。フィールドから独自に得た材料で進化生物学上の大問題を解くことができたのだった。研究は進展し、現在は性の多様性と多細胞化をフィールドで得た新規材料とゲノム解析で解き明かそうとしている。

講義2
地震の調べ方:穴を掘って,よく見て,計算する
地球惑星物理学科 安藤 亮輔 准教授
安藤亮輔准教授
— 経歴 —
東京大学大学院理学系研究科地球惑星科学専攻博士課程修了、米国コロンビア大学客員研究員、防災科学技術研究所研究員、産業技術総合研究所研究員を経て、2014年より現職。博士(理学)。

地震の予測は難しいとは,どこかで聞いたことがあると思います.では,なぜ難しいのでしょうか?地震といえども地球上での物理現象ですから,天気のように,それまでの雲や風などの動きと、それらの変化を記述する運動方程式が分かれば,なんらかの予測はできるはずです。それが難しいというのは、これまでに起こった地震の歴史を知ること(観測)が簡単でなく運動方程式とその答え(理論)もまだよく分からないということです。講演では,研究者がその困難を乗り越えるため、観測と理論をどのように駆使しているのか,その一端をお話しします。

講義3
私たちが今ここにいる理由 ~天文学の解答~
天文学科 嶋作 一大 准教授
嶋作一大准教授
— 経歴 —
東京大学大学院理学系研究科天文学専攻博士課程中途退学、東京大学大学院理学系研究科助手を経て2006年より現職。理学博士。

私たちは宇宙の「ここ」で生まれました。すなわち、宇宙に無数にある銀河の1つである銀河系の中の、太陽系という惑星系の中の、地球という惑星です。でもなぜここなのでしょう?他の場所で生まれることはできなかったのでしょうか?また、なぜ私たちは138億歳の宇宙に生まれたのでしょう?他の時代ではだめだったのでしょうか?銀河や星の知識を武器にこの問題を一緒に解きましょう。夜空を見る目が変わります。