東大理学部 高校生のための夏休み講座 2012 

東大理学部 高校生のための夏休み講座 2012 

理学。それは自然の真理を追究する基礎科学です。 東京大学理学部では世界をリードする Top Scientists による高校生のための特別授業を公開します。 受講された方全員に、東京大学理学部シャープペンを差し上げます。 ぜひ、ご参加ください。

日時

2012年7月30日(月)・31日(火)両日ともに13:00-16:00

タイムスケジュール
13:00-13:05 冒頭挨拶
13:05-14:05 講義1
14:05-14:25 質疑応答
14:25-14:40 休憩
14:40-15:40 講義2
15:40-16:00 質疑応答

7月30日(月)

講義1
科学と化学を楽しむ – 生命起源研究から創薬研究まで –
菅裕明 理学系研究科化学専攻教授
菅裕明
— 略歴 —
1994年米国MIT化学科でPh.D.コースを終了後、ハーバード大医・マサチューセッツ総合病院で博士研究員、1997年からニューヨーク州立バッファロー大化学科助教授・准教授、2005年東京大学先端研・教授を経て、2010年から同大大学院理学系研究科・化学専攻・生物有機化学教室教授。東大発バイオベンチャー企業ペプチドリーム社を2006年に起業。

大学時代に有機化学一筋に勉強をしていた学生が、ふとしたきっかけから「生命はどうやって地球で誕生したんだろう?」という疑問から、化学と生物学の境界領域で研究に進むことを決意、渡米して博士学位を取りました。そして、博士研究員時代には分子生物学の研究に従事して生物研究領域での経験を積み、ニューヨーク州立バッファロー大化学科でアカデミアポストに就いて独立した研究室をもつことになりました。彼は、生命起源、特に「遺伝暗号の起源」に関する研究を始めましたが、その後の研究の進展は彼を創薬研究へと向かわせることになりました。そして、彼の研究成果によって創出された「遺伝暗号リプログラミング」技術は、世界中の製薬企業からも注目を集める新創薬技術へと進化、現在は様々な疾患の標的蛋白質を相手に研究を進めています。

講演では、化学と科学を楽しむ研究から実用的な創薬研究まで、その変貌をお話します。

講義2
広がりゆく宇宙を調べる
土居守 理学系研究科附属天文学教育センター教授
土居守
— 略歴 —
東京大学理学部助手・プリンストン大学客員研究員・東京大学理学部助教授を経て2007年より東京大学理学系研究科附属天文学教育研究センター教授。専門は観測的宇宙論・銀河天文学・観測装置開発など。

100年ほど前、人類の宇宙観は急激に広がり、われわれの太陽系は、「銀河」とよばれる星の大集団の中にあることがわかってきました。銀河は宇宙に無数に存在し、互いに遠ざかり合っている、ということもわかりました。最近では、科学技術のさらなる発達により、宇宙が膨張をする速さが過去数十億年の間、加速をしている、という驚くべき発見がなされ、2011年にノーベル物理学賞が3人の研究者に授与されました。

この講義では、どのようにして宇宙の膨張を測るのか、という話題を中心に、天文学者が宇宙をどのように調べているのかについてお話します。

7月31日(火)

講義1
コンピュータ上に「物質」をつくる
常行真司 理学系研究科物理学専攻教授
常行真司
— 略歴 —
東京大学大学院理学系研究科物理学専攻修士課程修了、東京大学理学部物理学科助手、物性研究所助教授、理学系研究科助教授、准教授を経て2007年より現職。理学博士。

物質はそれぞれ特有の色や硬さ、電気的性質、磁気的性質(物性)を持っていますが、それらはすべて原子核と電子のミクロな振る舞いによって決まっています。最先端のスーパーコンピュータと量子力学のシミュレーション手法を使うと、コンピュータ上にその「物質」を作り出すことによって、実験では観測が難しい条件での性質を調べたり、地球上には存在しない物質の予測をしたりすることができるようになります。

この講義では、理論、実験とならぶ第3の手法、計算科学的手法を用いた物性研究についてご紹介しましょう。

講義2
匂いの好き嫌いー生物が生きるためのしくみ
飯野雄一 理学系研究科生物化学専攻教授
飯野雄一
— 略歴 —
東京大学大学院理学系研究科生物化学専攻博士課程修了、米国コロンビア大学博士研究員、東京大学理学部助手、講師、同遺伝子実験施設准教授を経て2007年より現職。理学博士。

世の中には無数の匂いがあります。私たち人間を初め、あらゆる動物にとって、匂いは食べ物や危険なもの、仲間や敵の存在を知るために大事な情報となります。この匂いには、いろいろ不思議な性質があります。例えば、同じ化学物質でも、薄い時はいい匂い、濃い時はいやな匂いに感じることがあります。また、ずっと同じ匂いがあっても、嗅ぎ続けると感じなくなります。このような感じ方の違いは、実は匂いの情報を最大限に生存・繁殖に結びつけるための仕組みです。

講義では、線虫という研究用の小さな生きものが、匂いの情報を様々に使って生き延びるしくみについてお話しします。

会場

地図

東京大学本郷キャンパス 理学部1号館
西棟206号

会場までの案内図

定員

各日80名(事前申込制・先着順)
※両日ともに受講されることをお奨めいたします。申込は30日と31日、別々に行ってください。

参加費

無料

対象

高校生 ※中学生も参加可能 

持ち物

筆記用具・ノート ※講義の撮影・録音はご遠慮いただいております。

申込方法

申込フォームはこちら

両日受講可能です。ただし、お申込みは各日行って下さい。
※2日間の両日の受講をお薦めしますが、どちらか1日の受講も可能です。

  • 7月30日(月) ※受付終了しました。
お申し込みされた方には、6月27日付で参加の可否のメールをお送りしております。 受け取られてない方は、メールアドレスの不備の可能性がありますので、「お名前」「学校名」「メールアドレス」を明記の上、広報室 まで、ご連絡下さい。
  • 7月31日(火) ※受付終了しました。
お申し込みされた方には、7月3日付で参加の可否のメールをお送りしております。 受け取られてない方は、メールアドレスの不備の可能性がありますので、「お名前」「学校名」「メールアドレス」を明記の上、広報室 まで、ご連絡下さい。

申込締切日

各日とも、定員に達し次第〆切ります。

プレゼント

受講された方全員に、東京大学理学部ロゴ入りシャープペンを差し上げます。
プレゼント

主催・問い合わせ先

東京大学大学院理学系研究科・理学部 広報室

TEL 03-5841-7601
E-mail